外尾悦郎の講演を聴いてきた

今日は友達の誘いにより、外尾悦郎の講演会に行ってきました。
留学生向けの寮での開催で、基本的に身内向けだったんですが、友達の手引きで入れてもらえることに。感謝。

まず外尾悦郎についてですが、スペインはバルセロナにある、ガウディのサグラダ・ファミリアの主任彫刻家をしている方です。こう紹介するよりも、何年か前のネスカフェのCMに出てた人という方が通りが良いかもしれません。ダバダーってやつです、確か。

ガウディを本当に知るにはどうすれば良いのか。
講演はこの言葉から始まりました。ガウディの建築には熱狂的なファンが何人もおり、毎年スペインに見学に行く。それこそ命をかけているように見える人までいる。また、建築を仕事としている人たちもガウディを見に行く。
しかし、これらの人の中で本当にガウディを知っている人は少ない、と外尾氏は言います。
彼らはガウディ建築の形態・構造や理論については良く知っているが、その精神についてはあまり知らない。
このことをその理由に挙げました。

それではガウディの精神とは何なのか。それは「人を幸せにするための建築」です。
ガウディは生まれながらのリウマチで、そのせいで体が上手く動かずに孤独な幼少期を過ごします。彼の遊び相手はもっぱら自然でした。自然と遊ぶことによって後年の装飾が生まれ、また孤独と付き合うことによってホスピタリティが育まれたといいます。名誉や金銭のためではなく、何よりも施主のための「人を幸せにするための建築」です。

続いて外尾氏自身の幸福観についての話が続いたんですが…。ちょっとボーッとしてしまっていてあまり覚えていませんorz
でも「他人の幸せを自分の幸せに出来る人」は幸せだと語っていたと思います。

その後はサグラダ・ファミリア、そして外尾氏の彫刻のお話が続きました。
まず有名な逆さ吊り構造実験の話がありました。建築というのは引力に逆らうようにしてその構造を発達させてきたが、逆に引力を利用すれば良いのではないかという発想から生まれました。
これによってサグラダ・ファミリアの曲線が生まれているわけですね。この考えを適用した他の例としてはコロニア・グエル教会があります。

彫刻について印象的だったのが、《ハープを持つ天使》についての話です。この作品には、敢えてそうしなかった部分、というのがあります。ネタバレ?になるので書きませんが「作品とは見る者が完成させる」という考えに基づいてのことだそうです。

最後の質疑応答の時間でも興味深い話がありました。
あるスペイン人の方が「スペイン人よりも、むしろ日本人の方がガウディを愛しているように見える。それはなぜか。」という質問をされました。
外尾氏は、ガウディはスペインでは人気はなく、むしろ疎まれていたという前提を置いて後に「現地の美というのは、外国人によって発見されるものだ。」という説明をされてました。例として日本の建築を挙げておられましたが、恐らくこれはブルーノ・タウトのことでしょう。


他にもいろいろと話はあったのですが、上手く文章に起こせませんorz
レポート記事を上手く書ける方は本当に尊敬します。

参考リンク
wikipedia:アントニ・ガウディ
wikipedia:ブルーノ・タウト