『ル・コルビュジエ 近代建築を広報した男』
- 作者: 暮沢剛巳
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: 単行本
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ル・コルビュジエといえば、二回生のときの初めてのゼミ発表で扱った建築家。
《ロンシャンの礼拝堂》を取り上げて、建築を専門にしてた院生にフルボッコにされたのは良い思い出。いや、思い出したくはない。
今はコルビュジエからは離れて違う作品を調べたりしてるんですが*1、やはり気になる建築家ということで雑誌やら書籍やらで一応チェックはしてました。
一昨年は広島県立美術館でル・コルビュジエ展が開催されたり、最近では彼の作品群を世界遺産登録するための動きがあったりと、話題になることが多かったように思えます。
しかし、ル・コルビュジエを単体で、しかも分かりやすく扱った本は少なく*2、『ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡』ぐらいだったんじゃないかなと思います。雑誌の特集なんかでちょっと興味を持った人には若干敷居が高かったんじゃないかと。
そんな中出版されたのが本書です。
6月10日に発売されたこともあり、世界遺産関係の話題も含めた内容となっています。選書という形態のためか、各章のボリュームはさすがに物足りないんですが、その分漏れのない章立てになってると思います。
建築家本人の歴史から始まり、サブタイトルでもある「広報」というキーワードを絡めた作品解説、更には画家としての建築家や日本人建築家との関連*3、美術館計画といった今までの書籍ではあまり触れられなかった分野にまで論は及んでいます。
特に、個人的な興味もあってのことですが、美術館計画の章は秀逸だと思います。日本語でここまでコルビュジエの美術館計画について書かれた書籍は恐らくなかったのではないかと。
また、年表や参考文献リストといった付録も充実しています。
ル・コルビュジエに興味を持った人がまず手に取る本としては最適。
参考書籍
ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡 (中公新書)
- 作者: 越後島研一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 新書
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参考リンク
世界遺産登録の可否は今年の七月とのこと。事前調査で「登録延期」と言われてるそうなので厳しそうですが…。
外務省: 「ル・コルビュジエの建築と都市計画」の世界遺産推薦について
追記
http://www.asahi.com/culture/update/0627/TKY200906270200.html
この記事あげた後に記事の存在に気付いた…。
やっぱり無理だったかー。