兵庫県立美術館と神戸市立博物館

今日は二つの美術館にいってきました。
まずは兵庫県立美術館兵庫県立美術館-「芸術の館」-【ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館所蔵 20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展 Masterpieces of Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen】
学芸員の方も苦笑いでしたが、やたらめったら名前が長いw
まぁ名前の通りピカソとクレーを中心に20世紀初めの芸術を概観しようというのがテーマなわけですが、個人的にはピカソとクレー以外の作家たちが凄い*1
特に良かった*2がマックス・ベックマン*3
今回展示されているのは《夜》というシンプルなタイトルの作品なんですが、中身は非常にグロい。家族の団欒中に強盗が押し入ったというシーンなんですが、父親は首を括られ、母親は縛って服を脱がされ、子どもは強盗に抱えられる。そういう最悪な状況を圧倒的な表現力をもって描写してあります。また、その背後には無関心な表情の人物が配置されています。
学芸員の方によると、この作品が描かれた時期は丁度第一次世界大戦が終わった頃で、ドイツの治安は最悪だったとか。ベックマンはそういった時世を描いたわけですね。しかもただ描いたわけではなく、そういった状況に無関心な人々への批判も伴って。

確かに考えると20世紀前半というのは戦争があった時期と重なるわけで、芸術にもそのことは無関係ではなかったわけです。そのことは学芸員の方々も意識されているようで、キャプションの作家紹介では、戦争中に作家たちがどう行動したか、どういう状況に置かれたかもしっかり書かれていました。
ピカソやクレーというとキュビスムや色彩に目がいきがちですが、そういった面から鑑賞するのも一興かと。

余談ですが、毎度毎度ここの美術館は分かりづらいですね…。探検に出かけた後輩がしばらく帰って来ませんでした。


そのあとは一路元町の神戸市立博物館へ。「江戸時代の世界図遊覧」「近世初期風俗画と南蛮工芸」「ズームアップ!日本の銅版画」の三本を『春の企画展』として行ってます。
もう正直疲れて集中力も切らしてたんで、友達とヒソヒソとツッコミを入れながら回ってたんですが、「日本の銅版画」のパートでは皆してテンション上がりました。

細かすぎる。

現物を見ると本当に小さな紙に刷られた作品で、何が何だか分からないものもあったりするんですが、隣に置いてあるズームアップしたパネルを見ると、髪の毛の一本一本までが全て描かれていることが分かります。
鑑賞しながら「米に字を書こうとする国民だしなぁ。全部遺伝か。」と感心半分、呆れ半分で呟いてました。
行く前は正直あんまり興味ないかな、と思ってたんですが、行ってみると存外に楽しかったです。
でも、どうせ行くなら次の『薩摩切子』の方に行きたかった…。


参考リンク
芸術の館 兵庫県立美術館 神戸 没後130年 河鍋暁斎 鬼才 Kyosai コレクション展 特集 境界のむこう 神戸 ブログ 最新情報 HYOGO PREFECTURAL MUSEUM OF ART artm
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*1:個人的にピカソが好みじゃないってのもありますが

*2:衝撃だったという意味で

*3:wikipedia:マックス・ベックマン