「静物画の秘密」展に行ってきた
昨日の話になるんですが、現在兵庫県立美術館で行われている「静物画の秘密」展に行ってきました。ちょうどシンポジウムも開催されていたのでそれも聴講してきました。
来る度に思うのだけれど、この美術館は今自分が居る場所が良く分からなくなります…。シンポジウム会場に行くのもちょっと迷ったし。自分が方向音痴だっていうのもあるんですが。
この特別展の目玉は何といってもベラスケスの『薔薇色の衣裳のマルガリータ王女』。ベラスケスがマルガリータ王女の嫁ぎ先となったオーストリアのハプスブルク家の宮廷にお見合い写真として送るために描かれたもの。マルガリータ王女を描いた絵は全部で5点ありますが、今回展示されているのは最初期のもの。
基本的に肖像画なんですが、王女の脇に置かれている花瓶や花が静物ということで展示されているようです。ちょっと無理矢理感がなくもないですが、絵画自体はとても素敵でした。ちょっとつまらなそうな顔に、王女とはいえまだ3歳だったマルガリータの魅力が見事に表現されていると思います。
ただ、一つ気になったのは展示方法。
巨匠ベラスケスの絵画で、しかも日本初公開ということで凄いのは分かりますが、ちょっと特別扱いしすぎでないかと。館内は写真撮影禁止なので画像はないんですが、順路の一番最後に、青色で強調された壁をバックに、足元は青い絨毯で飾られていました。他の絵画が前座みたい*1な扱いで何だかなぁ、と。他の美術館での展示はどうだったんだろう。
ざっと見回った後はシンポジウム「西洋の静物画」を聴講してきました。時間の関係で慶応義塾大学の諸星先生*2と、神戸大学准教授の宮下先生のだけ聴いてきました。
内容は、諸星先生が今回の展覧会でも展示されているペレダの《ヴァニタス》の解釈について、宮下先生がカラヴァッジョを軸にしたイタリアにおける静物画の展開についてのお話でした。
両方とも興味深く拝聴したのですが、面白かったのが両者の発表形式の違いについて。
宮下先生もおっしゃいていましたが、諸星先生は学会発表のように一つのテーマについて順序立てて話す形式、宮下先生は、ある程度の話の内容は決まっているものの、その場その場で考えて話す形式*3。
発表形式としては両極端にあるやり方だと思います。どちらが優れているというのではなく、場面によって使い分けられるのが理想だろうなぁ。難しいですが。
帰りにミュージアムショップで図録と、ウォーホルのマグネットを買いました。マグネットはキャンベルスープのやつです。ここのショップは変なものがちょくちょく置いてあるから面白い。