カメラ日和

カメラ日和 2009年 07月号 [雑誌] VOL.25

カメラ日和 2009年 07月号 [雑誌] VOL.25

たまに購入しているカメラ日和。今号はトイカメラ特集ということで購入。

トイカメラはずっと欲しいと思ってたんだけども、自分が欲しいblack bird flyがちょっとお高目なのと、使いこなせるか…、というのでずっと躊躇してた。
けど、こういう特集見てたらやっぱり欲しくなりますねー。真四角の写真は可愛い。
でも12600円は、今の自分にはかなりの冒険…!
とりあえず、手の出しやすいHOLGAかVivitarあたり買ってみようか。

とか悩んでたら、今bbfにはディケイドバージョンということでピンクも出てるらしい。
買うならオレンジか、と思ってたけどピンクも可愛い。やっぱりこれは限定色…なんだろうな。

今回のカメラ日和の特集は物欲が高まりすぎて困る。
トイカメラのページの後にはnaturaのページもあったし。地味に一番欲しいのはこれだったりする。

安藤忠雄建築展

現在サントリーミュージアムで行われている「安藤忠雄建築展」に行ってきました。目当てはご本人によるギャラリートーク
サントリーミュージアム[天保山] サントリー

近くのローソンで前売り買ってから行ったんですが、受付でマネージャーに「言ってくれたら招待券あげたのに…」と言われました。もっと早く言って欲しかった…!

ギャラリートークの整理券を貰うためにちょっと早めに行ったんですが、丁度前の回のギャラリートークの途中で、入り口すぐの「中ノ島プロジェクト」の模型が展示してある部屋には凄い人だかり。さすがにネームバリューあるなぁ。


人ゴミを何とかすり抜けて、先に他の展示を見て回ることに。
建築展なんで、展示はもちろん写真と模型、あとは映像がちらほらあるのみ。この辺り何とかバリエーションを増やせないかなぁ、と思いつつ模型を見て回る。
模型を見て改めて思ったのが、安藤忠雄建築の共通点。本なんかで良く言われてる、幾何学図形に、別の図形を貫入させるプラン設計。それが模型で見ると良く分かる。
そしてやっぱり水を活用した建築が多いですね。本人曰く、特に意識したわけではく、あるものを使おうとしたらそうなったということでしたが。
その中でもアブダビ海洋博物館は凄い。うねった形態の建物本体の下を水が通り抜ける…、いや水の上を建物がうねって渡ってるのか。
模型の中で別の意味で面白かったのが、神戸市にある「4×4住宅」の模型。模型自体も良く出来てたわけですが、その中に置いてあった人型模型がどうみても安藤忠雄本人。髪型がまさに。


一周見終わった後にギャラリートークへ。思ってたよりも小さな人でしたが、話しだすとやはりパワーがありますね。
話の内容としては、建築そのもの、というよりは教育論が大半を占めていました。
中ノ島プロジェクトの模型は大阪大学の学生*1に手伝ってもらって作ったそうですが、あまりのスケールに学生は二ヶ月で音を上げてしまったとか。
そのネタを取っ掛かりに、忍耐力、構想力、実行力が大事であり、今の学生にはそれが欠けていると主張。今の中ノ島プロジェクトの桜の通り抜け、壁面緑化プロジェクト、大噴水などの話につなげてました。
桜の通り抜けと、大噴水はもうすぐ本当に実現するとあって、上の話が説得力を持ちます。ただ言われても反発するだけなんでしょうけど。

中ノ島プロジェクトを推進する動機として「大阪はもう絶望的な都市やけど、やれることはやっとこうと思った」と笑いながら言っていたのを見て、この人は大阪が好きなんだなぁと思いました。
話の中では散々大阪をこき下ろしつつも、表情は凄く楽しそうでそれが伝わってくる。ツンデレか。


30分くらいの短いギャラリートークでしたが、充実した時間を過ごせました。
今度は建築についてのお話も聞いてみたい。

*1:曰く、ドレイw

兵庫県立美術館と神戸市立博物館

今日は二つの美術館にいってきました。
まずは兵庫県立美術館兵庫県立美術館-「芸術の館」-【ドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館所蔵 20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展 Masterpieces of Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen】
学芸員の方も苦笑いでしたが、やたらめったら名前が長いw
まぁ名前の通りピカソとクレーを中心に20世紀初めの芸術を概観しようというのがテーマなわけですが、個人的にはピカソとクレー以外の作家たちが凄い*1
特に良かった*2がマックス・ベックマン*3
今回展示されているのは《夜》というシンプルなタイトルの作品なんですが、中身は非常にグロい。家族の団欒中に強盗が押し入ったというシーンなんですが、父親は首を括られ、母親は縛って服を脱がされ、子どもは強盗に抱えられる。そういう最悪な状況を圧倒的な表現力をもって描写してあります。また、その背後には無関心な表情の人物が配置されています。
学芸員の方によると、この作品が描かれた時期は丁度第一次世界大戦が終わった頃で、ドイツの治安は最悪だったとか。ベックマンはそういった時世を描いたわけですね。しかもただ描いたわけではなく、そういった状況に無関心な人々への批判も伴って。

確かに考えると20世紀前半というのは戦争があった時期と重なるわけで、芸術にもそのことは無関係ではなかったわけです。そのことは学芸員の方々も意識されているようで、キャプションの作家紹介では、戦争中に作家たちがどう行動したか、どういう状況に置かれたかもしっかり書かれていました。
ピカソやクレーというとキュビスムや色彩に目がいきがちですが、そういった面から鑑賞するのも一興かと。

余談ですが、毎度毎度ここの美術館は分かりづらいですね…。探検に出かけた後輩がしばらく帰って来ませんでした。


そのあとは一路元町の神戸市立博物館へ。「江戸時代の世界図遊覧」「近世初期風俗画と南蛮工芸」「ズームアップ!日本の銅版画」の三本を『春の企画展』として行ってます。
もう正直疲れて集中力も切らしてたんで、友達とヒソヒソとツッコミを入れながら回ってたんですが、「日本の銅版画」のパートでは皆してテンション上がりました。

細かすぎる。

現物を見ると本当に小さな紙に刷られた作品で、何が何だか分からないものもあったりするんですが、隣に置いてあるズームアップしたパネルを見ると、髪の毛の一本一本までが全て描かれていることが分かります。
鑑賞しながら「米に字を書こうとする国民だしなぁ。全部遺伝か。」と感心半分、呆れ半分で呟いてました。
行く前は正直あんまり興味ないかな、と思ってたんですが、行ってみると存外に楽しかったです。
でも、どうせ行くなら次の『薩摩切子』の方に行きたかった…。


参考リンク
芸術の館 兵庫県立美術館 神戸 没後130年 河鍋暁斎 鬼才 Kyosai コレクション展 特集 境界のむこう 神戸 ブログ 最新情報 HYOGO PREFECTURAL MUSEUM OF ART artm
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*1:個人的にピカソが好みじゃないってのもありますが

*2:衝撃だったという意味で

*3:wikipedia:マックス・ベックマン

妖怪バカ*1に会いにいってきました

昨日、姫路に京極夏彦が来るということで友達と連れ立ってはるばる行ってきました。
自分は灘区に住んでるので新快速使えばそんなに遠く感じないのですが、神戸市の端っこの方に住んでる友達曰く、「ちょっとした旅行」と。
ただ、自分含めて3人で行ったんですが、そのうちの一人がそのイベントの抽選に外れてしまうという残念な事態に。
「その間は姫路観光でもしてるよー」とか言われてかなり申し訳なく思ってたんですが、当日盛大に遅刻しやがりまして同情もどっかに飛んでいきました。

京極氏が来るのは、現在兵庫県立歴史博物館で開催されている「妖怪天国ニッポン―絵巻からマンガまで―」という特別展の一環とうことで、まずはその展覧会に、と思ったんですが、前述の友人が遅れてくるのを待つために他を回っとこうという話に。
まぁ、姫路で他といえば選択肢はこれしかなく。

そう、国宝であり世界遺産でもある姫路城。別名白鷺城*1
ずっと友達と一緒に「ちっさ!姫路城ちっさ!机に置きたい」などと言いながら歩いてました。それくらいイメージとは違って小さい。

でもさすがに見上げると大きい。

今ちょうど小天守の特別公開をやっているということで、そこそこの人出。


天守閣まで登らせてくれる。姫路市内を一望できます。

千姫と誰か(失念)の人形。良く見ると埃とか溜まってる…。
暗い時分に見たらちょっとしたホラーです。

姫路城でお腹いっぱいになりつつもその後妖怪展へ。

正直、博物館の展示ということであまり期待はしてなかったんですが*2、これは大当たりでした。
もちろん大きなテーマとして「妖怪」というのがあるわけですが、その見せ方が多様で上手い。
浮世絵あり、漫画あり、胡散臭い剥製あり。あと、京極氏の本のカバーイラストにある模型(張子)もあって感動。張子とは思えない質感でした。
老若男女問わず楽しめる展覧会ではないかと。
個人的に良かったのが歌川国芳国芳の作品と並べて、同じ構図の弟子筋の人の作品も並べてあったんですが、それを見ると国芳の凄さが際立つ。迫力が全然違いました。

これは図録を買って帰らねば、と思ったんですが、一般書店にも売ってるということでAmazonで注文しました。ポイントつくし。

その後はいよいよ京極氏のトークイベントへ。
何でも320名定員のところに800名を超える応募があったとか。さすがは京極夏彦


お話は妖怪という分類がどのように発生したかということから始まりました。
妖怪という分類ができたのは民俗学が「訳の分からない出来事」に名前を付けて分類するために出来た括りであって、江戸時代ではそれぞれが単体で存在していたとのことです。河童は河童。ろくろ首はろくろ首。
京極氏は「妖怪」はプロダクションのようなもので、江戸時代の「河童(など)」はピン芸人のようなものだとか。

また、同じ現象でも地域によって名前が違う(例:見越し入道)ものがおり、それらは情報交換が発達した都市部で統合されたんですが、その統合される前のバラバラのものたち個別にイラストを付けたのが水木しげる氏らしいです。だから水木氏の妖怪はやたらめったら種類が多い。京極氏曰く「そりゃ毎週鬼太郎に倒されるんだから、弾はいくらあっても足りないよね」と。


個人的に印象に残ったのが、その後の粋と野暮についての話。
江戸時代、「野暮と妖怪は箱根から先」という言葉があったそうです。まぁ江戸っ子が田舎者を揶揄する言葉だったんですが、なぜ妖怪が入っているのか。
当時妖怪というのは黄表紙狂歌なんかに良く使われていた*3
それらの中には妖怪の絵が描かれているわけですが、別に怖いものとして描かれていたわけではない。例えばまた、見越し入道の例ですが、塀の傍に見越し入道が描かれている絵がある。そこで物を知っている人は「ああ、見越し松のパロディね。この塀の中の家には女が囲われてるんだなw」とクスっと笑うわけです。でも何も知らない野暮な人は「うわ、なんだこいつ。こえー」となる。
だから「野暮と妖怪」のセットが生まれた、と。
当時は妖怪は怖いものではなかったていうのが新鮮でした。妖怪と怪異を結びつけるのは割と最近の発想なんだとか。


こんな感じの話を90分間に亘りしてくれました。途中でいったんもめんのイラストを書き出したり、「この世には不思議なものなど何もないんだよ」と言ってくれたり*4、聴衆を楽しませようとしているのが感じられる良い講演会だったと思います。噂通りの和服で手袋嵌めて登場してくれたし。

*1:しらさぎ」ではなく「はくろ」と読むのが正しいそうです

*2:国立以外の博物館で当たりと思ったことがあんまりない

*3:黄表紙は当時の青年コミックみたいなもの、狂歌は滑稽味や社会風刺を取り入れた短歌

*4:ファンサービス?w

ジュンク堂京都店

行ってきたのは昨日なんですけども。友人を訪ねるついでに寄ってきました。
さすがに書店内で写真撮影する度胸はないので写真はなし。

無論、目的はこれです↓
ジュンク堂京都店ではてなブックマーク棚について聞いてきました - はてなニュース

はてブコーナーでは特に何も買わなかったんですけど、こういう試みを大手書店さんがやってるのは面白いですね。
もっとやれ、と思う反面、こういう細かいサービスを大手にやられると個人書店が太刀打ちできる余地がどんどん小さくなってしまうんじゃないかと心配になる。

文庫本を買ったときに「あ、栞ください。」といったらくれたよ!

…余ってるの?*1

*1:買ったのは二冊です。店員さんがにこやかに「適当にいれておきますねー」とくれました。